南極からのたより(19)
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平成19年09月17日

こんにちは
** 室長
テクニカルセンター職員の皆さん

 暑かった夏も9月中旬を過ぎ、広瀬川原では芋煮会の煙が立ち昇る光景が見られ、今月は十五夜「芋名月」と早くも初秋を感じられる時季かと思います。

 昭和基地では春、夏の野外観測への準備が本格化、沿岸観測旅行などは始まっております。前号でお知らせの様に3〜4日間の観測旅行です。

 9月11日、昭和基地で部分日食が16:56を最大とし、前後40分間づつのドラマが観察できるはずであったが、雲に遮られクリアーに見ることが出来なかった。それでも高級な観測装置では写真の様に満ち欠けが観察された。われわれ越冬中にもう1度観察できる。年明け2008年2月7日に貴重な南極体験が出来るかも、お天気しだいである。

 先日、極地研がイベント展示などで使用する「公用氷」の下見が海氷上の各氷山で行われました。大陸の氷床が海へ流れ出して氷山となったもので、降り積もった雪が長い年月を経て、その時々の空気を含み圧縮固まった氷です。氷山氷の特徴は融ける時、封じ込められていた過去の空気がはじける「プチプチ」音ではないでしょうか。これらの氷にも甲乙があるようで、封じ込められている空気のきめ細かさなどで、はじける音が左右されるそうです。若い年代の新しい氷は空気粒が大きく、はじける時の「プチプチ」音が劣るそうです。また太陽に照らされて1度融けた氷も「プチプチ」音を欠き、これらの氷は「スカ氷と言う」。これらの条件を満たす良質な南極氷「公用氷」を、安全に簡単に取り出せる氷山を探しに行って、貴重な南極体験が出来ました。

越冬生活も残すところ5ヶ月余りとなりました。
健康に留意し南極生活を満喫して帰りたいと思います。

テクニカルセンター職員の皆さんの益々のご活躍を祈念いたします。

 

 

 

南極昭和
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